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黒博物館 ゴーストアンドレディ 上下巻 感想 【ナイチンゲールを題材とした伝奇ロマン!】 藤田和日郎

黒博物館 ゴースト アンド レディ 上 (モーニング KC)

今回紹介するのは、2015年にリメイクアニメが放映された「うしおととら」の作者が手掛けるちょっと、難しめの物語。連載誌がモーニングということもあって、言い回しなどが大人向けになっています。

とはいえ、絵には藤田瀬遠征らしさが十分に詰まっていますし、最終話で、すべての伏線回収して大円団で終わるのは、さすがの一言

「このマンガがすごい2016」でも、ランキングしたこの「黒博物館 ゴーストアンドレディ」。それでは、あらすじ、感想いってみましょう。

「黒博物館 ゴーストアンドレディ」あらすじ

 ロンドン警視庁が管理する、犯罪に関連する物を展示する特別な「黒」博物館。そこには、かち合い弾と呼ばれる、銃弾と銃弾が正面からぶつかり合った弾丸が飾られている。

このかち合い銃弾には、白衣の天使「ナイチンゲール」と彼女の運命に寄り添った、ゴースト「灰色の男(グレイ)」の隠れた物語があった・・・。

藤田和日郎先生の手掛ける伝奇ロマン漫画、ここに開幕!!

 

ナイチンゲールの話をここまで自由にかけるとは・・・

物語の大筋は、ナイチンゲールの話。あとがきにも、藤田さんがナイチンゲールの事について、かなり調べた様子が書かれています。とはいえ、ただの伝記のようには、全くなっていません。

普通、有名な人物の伝記を書くと、その人の凄さを伝えることが中心になり、作者の個性が出にくくなるのが普通。しかし、そこはさすがの藤田さん。

ナイチンゲールのという、凄く有名な人物ながら、その人物像を藤田さん流で表現されており、ナイチンゲールという偉人と藤田さんの個性がうまい具合でバランスされています

 

ホムンクルスを思い出す

物語のキモになっている生霊(いきりょう)。その人の人格や溜め込んでいるものを形にしたのが、この生霊です

その生霊の持ち主が相手を罵倒したり、叱責することによって、生霊が相手の生霊を攻撃します。要するに、人間の精神的な削りあいを、生霊で表現しているという感じですね。

その人の人格を表す化け物という事で、思い出したのが、山本英夫先生のホムンクルス。これも、トレパネーションという手術をして、その人の人格、本性が見えるようになる、という設定になっています。

 

ホムンクルスは、物語全体がかなりダークなんですが、こちらの黒博物館は、生霊というある種、不吉な言葉を使いながらも、ナイチンゲールの勇気で相手の生き霊を打ち破っていく様子をポジティブに描いているため、すごく清々しい仕上がりになっています。

  

さすがの展開力と素晴らしい大円団

藤田先生といえば、うしおととら、からくりサーカスをはじめとする長篇モノで、全ての伏線を回収し、素晴らしい大円団を迎えるのが特徴ですよね。この黒博物館もやっぱりそいいう、藤田さんらしさが溢れる終わり方をしています

上下の2巻しかないんですけど、密度が濃い展開の後に、ナイチンゲールと、グレイの二人の物語が終わる様子は見ていて魅力に溢れています。

 

「ゴーストアンドレディ」まとめ

こういう伝奇モノ、書いてもうまいんですね、藤田先生。ホント、天才だ。

このゴーストアンドレディを読んでいていて、藤田先生の「暁の歌」に入っている、魔法の包丁の話を思い出しましたね(タイトルは忘れちゃいました)。ああいう、中東の昔話を描かれても面白そうですよね。

黒博物館にはという別タイトルもあるので、こちらも面白いのでおすすめですよ。

 

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