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百万畳ラビリンス 【バグデバッカーの礼香が送り込まれたゲームのような迷路】 たかみち

百万畳ラビリンス(上) (ヤングキングコミックス)

今回紹介するのは上下巻で完結している「百万畳ラビリンス」。全体の話としては短いですが、短いが故に伏線回収も含めて綺麗に終わっているマンガになっています。ゲームのような世界観にどんどん引き込まれて、夢中になってしまうこちらの作品。

それでは、あらすじ、感想いってみましょう。

あらすじ

ゲーム会社「クラインソフトウェア」でバグデバッカーとして仕事をする、主人公の「礼香(れいか)」と「庸子(ようこ)」は気付けば、窓を開ければ樹林が広がり、扉を開けるとどこかしこかに繋がる、謎の部屋に2人だけでいた。

その不思議な空間を探索していくと、階段が無限回郎のようになっていたり、地下と天井が繋がっているような不思議な世界だった。

よくわからない状況ながら、周りを不審に思いながら進む庸子と、まるでゲームを楽しむかのように進む「礼香」。この空間は誰が作ったものなのか、そしてなんに目的で作ったものなのか。なぜ、この空間には礼香と庸子しかいないのか。

ゲームの世界のような、「百万畳ラビリンス」の探検がここに始まる。

凄く練られたストーリー展開

この作者の「たかみち」さんがあとがきで書かれているんですが、この「百万畳ラビリンス」は、最初から最後までその構成を決めたうえで書きはじめ、最終的にほとんどその軸からずれることなく書き上げる事ができたそうです。

そのためか、伏線回収で逃しているところもないし、設定の矛盾というのも全く見当たらないんです。

 

このマンガは読み進めるとよくわかるんですが、後半にいくに従い設定がかなり複雑(百万畳ラビリンスの中でのルールが複雑)になり、一回読んだだけでは理解しにくくなってくるんです。

ルールが多くなると、後から特殊ルールが追加されたり、ルールの捻じ曲げが起こったりする事は巻数の多いマンガでありがちなことですが、2巻で完結している事や、最初からストーリーが練り込まれている事で、とてもわかりやすく、ハラオチしやすい構成になっています。

礼香の「非日常」感

あらすじには描かなかったのですが、主人公の礼香はコミュニケーションにかなりの問題を抱えているタイプ。親友である庸子には、親友だからかそんな素振りはみせませんが、その他はかなり厳しいかんじです。

そんな彼女ですが、常識に縛られない感性の持ち主。その才能を活かして、普通の人が見つけられないバグを見つける仕事をしている、いわゆる変わり者なんです。

 

そのためか、礼香は「百万畳ラビリンス」においても、決して悲壮感漂う事なく、ゲームを攻略しつつ、設備のバグを如何に見つけるかというところを楽しむ素振りさえあります。このギャップがたまらなくいいんですよね。異世界に来ているのに、いつもと変わらない(むしろイキイキしている)のは、不思議な感覚なんですが、クセになっちゃいます

また、礼香がイキイキしている事もあってか、物語の展開にチラホラ笑いの要素を入れてくるんですよね。これが、謎の世界とのギャップの大きい日常のワンシーンになっていて、とてもクセになるんですよね。

あとがき

ストーリー自体は短かったけど、きちんと話が作り込まれているからか、内容の密度が濃く、十分に楽しむことができました。これから、たかみちさんの他の作品が出てくるのが凄く楽しみですし、これまでの作品ももっと読んでみたいなと思わせてくれる良作でした。

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