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漫画は癒し

竜の学校は山の上【不思議な世界のなんでもない日常】九井諒子

ファンタジー

竜の学校は山の上 九井諒子作品集

九井諒子さんの作品、「このマンガがすごい2015」で上位に食い込んでから、Kindleランキングの上位にいくつかの作品がランクインしっぱなしです。

 

私は一番最初、九井諒子さん初の長編作品となる「ダンジョン飯」を読みました。どうやって、魔物をおいしく食べる事ができるか?という事に、焦点を当てた斬新な作品で、内容はちょっと大人向けになっています。

 

この「竜の学校は山の上」も、今までの視点には囚われない斬新な短編集になっています。それでは、各話の簡単なあらすじをどうぞ。 

 

「竜の学校は山の上」収録話のあらすじ

帰郷

魔王を倒した、勇者が村に帰って来た。しかし、勇者はとても普通で、特別なところは感じられない。さらに、魔王を倒した世界では、倒すべき目標を見失った人間たち同士で争いをする世界になっていた。

 

魔王

旅の吟遊詩人による語り部。魔女の魔法により魔物にされてしまった王の悲しい物語。

 

魔王城問題

勇者が苦労して倒した魔王が住んでいた魔王城をなんとかして、人間の手で住もうとするが・・・

 

支配

地球に住む人間や生物達は、宇宙人が作った製造機から生まれてきた。その後、その製造機は「魔王」と呼ばれるようになる。

 

代紺山の嫁探し

権造のすむ村は、決して裕福な土地ではなかった。そのため、土地のおんな神に権造を生け贄として差し出し、村の発展のために神を呼び寄せようとする。

 

現代神話

この世界には、猿人(ホモサピエンス)と馬人(ケルタウロス)が共存していた。それぞれには、それぞれの悩みがあり・・・

 

進学天使 

同級生は羽が生えて、空を飛べる。そんな、彼女はアメリカに留学するかどうかを悩んでいた。

 

竜の学校は山の上 

宇ノ宮大学は、竜を研究する、竜学部のある日本で唯一の学校。竜に憧れ、宇ノ宮大学に入学した主人公は、竜が意外にも、経済的に扱いづらい存在だと知る。

 

くず

主人公は、全く働かないいわゆるニート。そんな彼がバイトになると知って、参加した実験とは?

 

「竜の学校は山の上」感想

ダンジョン飯の時に、九井諒子さんの奇抜さを感じましたが、この作品はダンジョン飯以上の衝撃でした。ゲームの世界が、さもそこに当たり前にあるかのような独特のイメージを持たせてくれるんです。

 

本のタイトルにもなっている、短編「竜の学校は山の上」は、現実にはいない竜がさも、普段からいるように描いており、イイ意味で、竜が日常に溶け込んでいる不思議な雰囲気を演出しています。

 

とても大雑把に言ってしまうと、世にも奇妙な物語を、ホラーではなく、ゲームの世界仕立てにしている感じです(余計に分かりにくいかも・・・)。

 

この中でも、私が好きな話は、現代神話です。馬人と、猿人の共存の在り方を描いた話なんですが、この現代神話は、内容がとても深い。

 

ちなみに、馬人とは、表紙に出ている馬の足を持った女性を始めとした、上半身は人間、下半身は馬の生き物です。

 

馬人はよく働けるが動いていないと落ち着かない、猿人は適度に動く事ができるが、馬人ほど働かず怠ける、というのが大前提にあって、それぞれの立場から、馬人、猿人同士で羨ましがってる、というものです。

 

この話の素晴らしいところは、猿人、馬人の人種を越えて、差別がないこと。九井諒子さんの作品は全部そうですが、どのキャラクターも全員立場が同等なんです。人種差別という、最近のマンガにありがちな話の展開として持ってきていないからこそ、猿人と馬人のお互いの純粋に羨む部分が浮き彫りになっています。

 

ほかにも、「くず」がなかなか秀逸です。パレートの法則と言えば、実験の内容が想像つく人もいるかもしれませんね。

 

まとめ

竜の学校は山の上 九井諒子作品集

竜の学校は山の上 九井諒子作品集

 

九井諒子さんの作品は、おそらく万人受けしないと思います。正直なところ、私自身も、九井さんの作品をそんなに、連続でたくさん読みたいとは思いません。

 

でも、とても印象に残る作品であるのは、間違いないです。何でもかんでも、強い方が勝ち!、特殊な能力持ってる方が偉い!みたいなマンガに読み疲れたあなたに、オススメします。